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有栖川有栖 「海のある奈良に死す」 [本]

火村英生シリーズの作品です。あとがきにも書いてありますが、初めての連載小説で、専業作家になって初めて書いた作品だとか。

海のある奈良に死す 

 

 





この作品、ポイントはまず
①「海のある奈良」ってどこのこと?
②人魚
③凶器となる毒入りウイスキーの動き
でしょうかね。

有栖川の作品は何作か読みましたが、この作品非常に読みやすい。
登場人物の動きが、はっきりとわかりやすく書いてあります。
私は本を読むのが、電車の中やお茶しているときがほとんどなので、細切れになってしまいます。
それでも話がよく見えます。構成がよく出来ているのかしらん。
まぁそれほど複雑に絡み合っているようなストーリーではありませんが、最後の謎解きなんか結構面白いく、あっと言わせます。
それに本当によく取材してあり、時間かけてますね。(連載ものなのに)
通常、火村&有栖川ですと有栖川は的外れな推理ばかりして火村に違うといわれてしまいますが、今回は結構話の中心になってます。(最後の謎解きは火村ですが)

この作品の解説は、なんと我孫子武丸です。これがまたおもしろく解説というより、立派な付録になって読ませます。
「二人のアリス」というタイトルで、「学生アリス」、「作家アリス」について説明してくれています。
この二つの小説世界は単純ではないと。
この二つの小説世界は、互いが互いを書いているという、エッシャーのあの有名な絵の状態であるらしいのだ。と言ってます。

先日、エントリーした「エツシャーのだまし絵」を引き合いに出してます。偶然ですが嬉しいですね。そういえば「手が手を描いていて、その手が最初の手を書いている」という「ありえない」作品がありました。

そして、ペンネームと主要登場人物が同じだというのは、危険(問題)だと。
「はっきりいってやばい」
これ以上は、立ち読みでどうぞ...
このやばいことで法月綸太郎、島田荘司、二階堂黎人、さらに綾辻行人まで引き合いに出してます。
大先輩の島田荘司をぼろくそに、法月綸太郎いたっては、バッサリと。(でも仲間なんですね)
二階堂黎人は、読んだことありません、どんな作家なんでしょうね。
結局、有栖川有栖、二階堂黎人を評価してます。(解説ですからね)

他にプロットやトリックよりもロジックを重視するのが、有栖川作品の特徴と書いてます。(難しいなぁ)
我孫子武丸の作品は、人形シリーズは、面白くて全部読んだんですが、本当はメチャ恐いホラーも書いているとか。
どうも作品の話より解説の方で盛り上がってしまいました。

有栖川有栖が、あとがきの最後で「それからそれから読者の皆様、ありがとうございました。また、別の作品でお目にかかれますように。」 こういうのいいなぁ。


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コメント 4

あかり

私も解説、大好きです。私は初めてこの仕組みを、全シリーズを読んで気がついたときに、なんてすごい人なのだろう、と感動しました。
実は「海がある奈良に死す」はあまり好きな作品ではありません(というかあまり印象に残ってない?)。というか、彼の作品は短編の方がいい作品が多いですね。ほかにも結構いいのがあるのでぜひ読んでみてくださいね!私が好きなのは・・・「英国庭園の謎」です。結構バラエティに富んでいて読みやすいですよ!
by あかり (2007-03-20 17:21) 

ヒロノミン

おはようございます。
これ、面白そうですね。有栖川さんの本は読んだことがないので、今度買ってみようかな、と思います。
現在は今更ながら東野圭吾さんにはまりつつあります。
by ヒロノミン (2007-03-21 08:18) 

daland

>aliceさん
niceとコメントありがとうございます。

でしょうね。この「海がある奈良に死す」はドラマとしての起伏が無く、内容もちょっと単調かな。(それだけに読みやすい)
aliceなんなら辛口の評価になるなぁと思いました。
「英国庭園の謎」読んでみますね。
by daland (2007-03-21 21:28) 

daland

>ヒロノミンVさん
こんばんは。コメントありがとうございます。
有栖川有栖の作品はどれを読んでも面白いと思います。お薦めです。

今話題の東野圭吾は、一度も読んだことありません。
ぜひ感想などをブログにエントリーしてください。
by daland (2007-03-21 21:33) 

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