歌川広重「東海道五十三次」3つのバージョン [美術館めぐり]
欠かさず見ているテレビ東京「美の巨人たち」で歌川広重の「東海道五十三次」が、
二回にわたって放送されました。
「街道の美 スペシャル」のシリーズの一環です。
なんと初めて知ったのですが、広重の「東海道五十三次」には3つの版(バージョン)があるのですね。
「保永堂版(ほえいどう)」、「行書版(ぎょうしょ)」、「隷書版(れいしょ)」です。
いやはや浮世絵ファンとしてはお恥ずかしい。
版(バージョン)と言えば、ブルックナーを思い出します。あっ関係ないですね。
番組では、前編・後編に分けてバージョンの違いを詳しく説明しています。
番組の中に出てくる、中山道広重美術館。
3つの版の全てを所有しているとか。
この美術館が発行している図録があることを発見しました。
今年の2月に展覧会があったのです。
申込するとすぐに対応していただき本日到着しました。
それがこちら。
中はこんな感じです「日本橋」
3つのバージョンが並べられて、分かりやすい解説がついています。英語訳も
この図録を書かれた学芸員の方が、番組に出演しています。
このゴールデンウイークは、何にも予定のない私。
この図録を眺めながら旅に思いをはせたいと思います。
中山道広重美術館には、ぜひぜひ行ってみたいと思います。
番組を見逃した方、大丈夫です。
5月10日と17日にBSジャパンで再放送があります。
いい番組です、これは永久保存版にしないと。
でわでわ。まっ種!
今、一押しの展覧会 「ウフィツィ美術館展」 [美術館めぐり]
3ケ月も更新が開いてしまいました。
まだまだ続けます。(笑)
さて、絶対にはずせない一押しの展覧会のご紹介です。
上野の東京都美術館で、12月14日まで開催中の「ウフィツィ美術館展」です。
大好きなボッティチェリをはじめイタリア・ルネサンスの絵画が大集合。
ウフィツィ美術館は、フィレンツェにあって、メディチ家のコレクションを引き継いでるんですね。
イタリア・ルネサンスの殿堂と言われてます。
これを見ないわけにはいきません。
こちらが、展覧会のチラシ、見開きの立派なものです。
チラシの内ページ左側です。
上段がボッティチェリの2作品で左が「パラスとケンタウロス」
初めて見ますが「春」、「ビーナスの誕生」と並ぶ絶頂期の作品で、
ウフィツィ美術館ではこの3作品が同じ部屋に展示してあるそうです。
右が「聖母子と天使」マリアの端正なお顔が印象的です。
下段は、左からボッティチェリ、サルト、バルトロメオ。
右ページの上段もボッティチェリ。左が「聖母子と洗礼者聖ヨハネ」
この構図、マリアからイエスをヨハネが受取っているのです。
でもですね、マリアとイエスの表情、なにか不思議ではありませんか?
ヨハネの頭の上に十字架があるのです。
なんと、十字架から降ろされるイエスを暗示させているんです。
恐るべしボッティチェリ。
このことは、ぜひ鑑賞ガイドを借りて詳しく聞いて下さいね。
右が「聖母子(海の聖母)」
下段、左がバルトロメオ、右がブロンヅィーノ
このイタリア・ルネサンス期は、もちろん油彩画ではないのですね。
板にテンペラです。
受売りですが、テンペラ画は色の持ちがいいのだそうです。
なので500年たっても、ウフィツィ美術館の作品はとにかく色が綺麗なんです。
これはもう実際に見て頂くしかないですね。
ボッティチェリをはじめたくさんの作品を見ることが出来ます。
もう一度行きたい展覧会です。
図録もちとお高いですが、ぜひ欲しいですね。
もちろん、色の再現はできませんが。
さて図録を見ながら、昨日解禁のボジョレーを頂きましょう。
音楽は、レスピーギがいいですね。ローマ三部作。カラヤンがいいですね。
でわでわ。
まっ種!
「光の賛歌 印象派展」 京都文化博物館 [美術館めぐり]
先日、京都への出張。
最終日仕事が早めに終わったので、近くで展覧会などやっていないかと検索すると、
京都文化博物館がヒットしました。
それが「光の賛歌 印象派展」でした。
京都駅からも地下鉄ですぐです。
出かけてみると、なにやらこんなポスターが。
ルノワールの絵がポスターになってます。
印象派の絵を集めた展覧会かなぁなんて。
ところがところが素晴らしい展覧会で、よくこれだけの絵を集めたと。
このポスターからはこの展覧会の趣旨は伝わりません。(笑)
この展覧会の副題をみるとなるほどと。
「パリ、セーヌ、ノルマンディの水辺をたどる旅」となってます。
主題は「水辺」なのです。ポスターのルノワールは、水辺に集う人達なのです。
なので風景画がメインの展覧会です。
19世紀後半の画家達の風景画は素晴らしいですねぇ。
内容はこんな感じ。
●序章 印象派の先駆者たち
・ターナー、コロー、クールベ
●第1章 セーヌ河畔の憩い
・シスレー、モネ、ピサロ、マネ、シニヤック、ルノワール、セザンヌ
●第2章 ノルマンディ海岸の陽光
・モネ、ピサロ、カイユボット、セザンヌ
なんとシスレーの絵が16点展示されてます。
多作家のシスレーですが、これだけ集まるのは珍しいのでは。
そして、モネの風景画が30点以上展示されてます。
睡蓮はもういい私ですが、睡蓮以外の絵は素晴らしいです。
明るいシスレーの風景画は、心癒されます。
なので思わず図録も購入。
そしてお土産は、クリアファイルとチケットホルダーを購入。
東京富士美術館・福岡市美術館と巡回して京都文化博物館が最後です。
5月11日まで開催しています。
昨年東京で開催しているのは知りませんでした。
この展覧会お勧めです。
でわでわ。
いいですね浮世絵。 [美術館めぐり]
昨日は関東地方が前代未聞の大雪で大変なことになりました。
お天気の回復した今日も陸の孤島状態が続いています。
今、関東では浮世絵の展覧会がなんと2箇所で開催されています。
まずは、両国の江戸東京博物館での「大浮世絵展」
浮世絵は、やはり江戸東京博物館です。340点のもの展示があります。
海外からの出展もあります。(ほんとに沢山、海外に流出してるんですね)
この展覧会は、タイトルの通り、沢山の浮世絵師と有名な浮世絵を展示しています。
なので見ごたえあります。
今回の展覧会、前売券におまけがついていました。
左がネットから購入するともらえる、骸骨のストラップ。
右は、江戸東京博物館の窓口で前売券を購入した場合にもらえる、
立版古のうなぎです。
立版古って、紙で出来た立体画ですね。
(これはショップで売っていました)
ほんとにお得な前売券でした。
この展覧会、ショップで売っているグッズも充実しています。
購入したのは、浮世絵のしおりです。
展覧会の図録。
左が「大浮世絵展」の図録です。なんと360ページにもなる力作。
さてもう一つの浮世絵の展覧会は、ローカル美術館の千葉市立美術館です。
右の図録。
タイトルは、「江戸の面影(浮世絵は何を描いてきたのか)」です。
千葉市立美術館は、浮世絵のコレクションを多数持っていて、展覧会をよくやります。
今回の展覧会は、主題が明確になっていて面白いです。
タイトルを紹介しますね。
プロローグ:江戸の繁栄
第一章:吉原の粋
第二章:江戸の盛り場
第三章:江戸娘の闊達さ
第四章:歌舞伎への熱狂と団十郎贔屓
第五章:江戸っ子の好奇心
第六章:愛しき日常と子供のパラダイス
第七章:花を愛でる人々
第八章:富士の絶景
エピローグ:江戸の面影
270点の展示をこれらのコーナーに分けて、江戸の風俗や景色を見せてくれます。
「吉原の粋」はもちろん美人画が沢山あってドキドキしちゃいます。
今、2ヶ所の展覧会で浮世絵を満喫出来ます。
なので同じタイトルの違う刷りの浮世絵が見れるんですね。
葛飾北斎の富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」なんか2枚見ると思わず感激しちゃいます。
好きな浮世絵師は、独特な作風の鈴木春信、鳥居清長、美人画では喜多川歌麿。
葛飾北斎、歌川広重、最近注目している渓斎英泉などなど。
「大浮世絵」は、3月2日まで、その後名古屋市博物館、山口県立美術館を巡回します。
「江戸の面影」も3月2日までです。
ぜひ浮世絵を楽しんで下さいね。でわでわ
あっ展覧会の込み具合ですね。
「大浮世絵展」は平日にも係わらず大混雑。列が三重になっていました。
「江戸の面影」は貸切状態で、じっくり見れるのでお勧めです。
レオナール・フジタ(藤田嗣治)展。 [美術館めぐり]
さて今日は、レオナール・フジタ(藤田嗣治)の展覧会。
10月14日(月)までの開催ですのでご紹介しますね。
フジタは、戦争を挟んで、フランスで創作活動をした画家です。
教科書で見たことがある程度でした。
今回の展覧会に合わせて、TVで紹介されました。
これがフジタの凄さを紹介していましたので、ぜひ見なくちゃということで。
展覧会のチラシ、豪華です。見開きのチラシ。
フジタの自画像。
「誕生日」フジタの代表作。
この作品、子供達それぞれの表情が楽しいです。コーヒーをこぼしちゃってる子も。
正面が誕生日を向かえた子です。全員が主役。
フジタはなんと激動の人生を送ったのでしょう。
戦争という悲劇の影響を受けています。
さらに戦争のため帰国し、戦争がを書いたのですが、戦争が終わったあと。
なんと戦争責任を取らされるのですね。
フジタへの嫉妬やネタミがあったのでしょうか。
フジタは、フランスへ帰ります。もう日本は故郷ではないと。
でも、フランスへ帰った事であの素晴らしい作品が生まれたのですね。
今回の展覧会は、ポーラ美術館の収蔵品がほとんどです。
ポーラ美術館は、世界でも有数のフジタのコレクションの美術館なんですね。
ポーラ美術館は、とても雰囲気のいい美術館です。箱根にあるというのもいいですね。
何回か行っていますが、フジタ作品知りませんでした。
ポーラ美術館のフジタ作品のほとんどが展覧会にきているので、空っぽです。
でもさすがです。新規に購入の作品2点が公開されています。
先日、箱根に行きましたので、見てきました。箱根の珍道中は、また後日(笑)
こちらが、展覧会の図録。
展覧会の図録は基本買いません。高いのが一番の理由。
でも今回は、またゆっくり見直したいので購入しました。
今回の展覧会の展覧会には、写真家の土門拳の写真が沢山展示されています。
貴重な写真が沢山あります。
なんとフジタのあの乳白色の秘密が映り込んでいたのです。
(ぜひ展覧会でご覧下さいね)
展覧会もう見所満載で、展示の作品の多い事。
今回の注目は、「小さな職人たち」の連作。
15センチ四方のファイバーボードに子供たちが描かれています。
職人たちの仕事を描いているのです。全部子供たちで描かれています。
何で子供たちで?....
図録に今回の「小さな職人たち」が載っています。
なので図録を購入しました。
後で楽しく見ることにしましょう。
お土産です。(笑)
「小さな職人たち」のシールと栞。いいでしょ。
フジタは、作風をどんどん変えて行きます。
でもそれぞれの作風が素敵なのですね。
そして、それらは素晴らしいテクニックが基本にあるのです。
フジタが生涯大切にしていた、パリで最初に書いた風景画。
珍しい、宗教画も味わいがあります。
ウンチクが長くなりました。
どうか生で見て下さい。(笑)色彩が素晴らしいので、ぜひ。
さて図録を見ながらお酒を頂きましょう。ワインでなく日本酒がいいですね。
でわでわ。
三菱一号館美術館 [美術館めぐり]
菱一号館美術館は、3年前に開館した新しい美術館です。
CMでおなじみの三菱地所の所有する建物。
古色蒼然としてますが、一度解体されたものを2009年に復元したものです。
東京駅からすぐの場所にあるのに、なかなか行く機会がなかったのですが、今回は大好きな浮世絵が。
外観とはうって変わって、中庭には緑がいっぱい。
猛暑の東京ですが、ほっとします。
今回の展示は、2階、3階にあります。
建物の制約でしょうか、会場は迷路になってます。(笑)
でもその都度、自動ドアで仕切られて、温度は一定です。
作品の環境には最新の注意が払われています。
展示スペースの間には自然光をたっぷりと入れた通路があります。
さて今回の浮世絵の展覧会は、「斉藤コレクション」が中心とか。
6月から3期に分けて行っています。
第一期:浮世絵の黄金期。
第二期:北斎・広重の登場。
第三期:うつりゆく江戸から東京。
8月11日までは第二期です。
大好きな北斎・広重です、外せません。
今回の展示、とても状態のよい浮世絵ばかりです。
発色が素晴らしい。
もちろん、大好きな「神奈川沖浪裏」もあります。
とにかく展示作品の多い事。一日では見切れません。
そして更に三期に分けて展示してるのですから驚きです。
そして絶対にお勧めしたいのが、展覧会の図録です。(2200円です。)
三期分の展示品が全て載っています。
あまりにも沢山の展示品ですので、作品は小さく載ってます。
この図録は、作品を味わうというより、浮世絵辞典として使えると思います。
めちゃ感動的なボリュームです。
三菱一号館美術館は、常設展示はしていません。
今回のような企画展示のみです。
今回更なる驚きは、作品のすぐ近くで見れることです。
ガラスケースに入った作品もありますが、浮世絵の展示は柵がないのです。
至近距離からどうぞ。
夏休み、お勧めの展覧会です。
浮世絵っていいですね。何かホッとします。
でわまた。
行って来ました。【ブリューゲルの版画の世界展】 [美術館めぐり]
やっと行って来ました。
渋谷文化村のザ・ミュージアムの展覧会。
「ブリューゲル版画の世界」展です。(このHP良く出来てます。動画もあります)
もうひとつ、特別なサイトが立ち上がってます。これも必見です。
いい企画ですね。初めて見るブリューゲルの版画。
(もしかして遥か昔に見てるかも知れませんが)
チラシの表。異様な雰囲気が...
masa さんの展示会 [美術館めぐり]
【24日(木)16:30まで開催してます。ぜひお出かけ下さい】
ブログのお友達の masa さんの作品の展示が行われてます。
場所は、JR大崎駅近くの「O美術館」。
大崎ニューシティの2階のレストラン街の一番奥と言った方が分かりやすいですね。
masa さんが出品している企画展は、「第2回 ミックスアートまつり」。
55人の作家が参加してます。