依井貴裕 「肖像画(ポートレート)」 [本]
なかなか本が進みません。電車の中でも寝ちゃってます。(春眠暁を覚えずデス)
今日の本は、依井貴裕さんの 「肖像画(ポートレート)」です。
以前、「記念樹(メモリアル・トゥリー)」を読んだことがあります。なにか不思議な印象を受けた記憶があります。
設定は、三姉妹の別荘に色々な人々が集まってきます。探偵役の多根井理、友人の富岡秀之と別荘で知り合う小野慧子の三人が謎解きをしていきます。
この三人は姉妹の一人がミステリ作家でその縁で別荘でのパーティに参加することになりました。
その他は姉妹の恋人等が出てきます。冒頭に姉妹の継母の独り言が出てきますが、これは...
孤立した場所での殺人、ありがちな設定ですね。
さてこの三姉妹、片倉初音、弥冬、結花(同じ名前の猫も登場します)が、残酷な方法で順番に殺されていきます。そこで密室、アリバイがあって混乱します。
一番下に史織という妹がいましたが、過去に事故で亡くなってます。その事故にも隠されたものがあります。
題名の肖像画もポイントです。
最終章まで来たとこで、依井貴裕さんから「読者への挑戦」が出てきます。
「ここで物語を敢えて中断し、読者への挑戦を挿入します。
中略
では、論理的推測と心理的観察によって、犯人を考えてみてください。御検討を祈ります。」
と言ってますが、分かる訳ないじゃん。
犯人は意外な人間です。しかし連続殺人の理由がちょっと薄いんですよね。
最後になって犯人は、誰の意思にによる殺人なのか気がつきます。
この作品は、好き嫌いが分かれますね。あまりにもマニアックに書き込んでいるため力が入りすぎている気もします。でも私は面白いかも。
依井さんの作品、後は「夜想曲(ノクターン)」、「歳時記(ダイヤリー)」なんていう洒落たタイトルのものがあるようです。
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