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我孫子武丸 「8の殺人」 [本]

今日は、全国的に夏! でした。(この異常気象、地球がちょっと心配です)
ビアガーデンがオープンしたとこもあるようです。(ヤッホー、うれしぃ)

やはり娘の元部屋に転がっていた、我孫子武丸さんの「8の殺人」、これってデビュー作のようです。
我孫子武丸さんのデビュー作、興味ありますね。
ユーモアミステリでとっても楽しい作品です。

8の殺人  

 

 

 

「8の殺人」の8は、8の形をした館で起きる殺人事件の話です。
何回も館の図面が出てきます。これでとっても分かりやすい。
二人の殺人事件が起こります。密室もでてきます。(この密室変わってます。蜜室での殺人ではありません...)

主役は、速水恭三(警部補)、慎二(弟、喫茶店のマスター)、いちお(妹、大学生)の三兄弟。
あっそうもう一人、恭三の部下の木下、体を張って捜査します。もう体ぼろぼろ(かわいそう)
最後結局は、慎二が謎解きをします。
恐いミステリもいいけど、こういうユーモアミステリも楽しく一気に読んでしまいます。
ちょっと面白いところ引用します。ストーリーには関係ないのでいいですよね。(《 》内が引用部分です)

恭三は鋭くガンを飛ばした。
犬はおっ、と驚いたようだった。今まで人間にガンをつけられたことはなかったに違いない。
こういうことには、恭三は強いのです。

恭三は、作品中の美人でかつ虚弱なヒロインに一目惚れします。ヒロインをかばいます。
いちおは諦めたように両手を上げて、「いいわよ、いいわよ。美人は人殺しなんかしないのよね。嘘もつかないし、おならもしない。そういうことにしときましょ」と、いじけた振りをしてみせた。 
妹のいちお優しいですね。

もう笑っちゃいます。さらにちょっと長いんですけど
立ち上がり、部屋を出る時の雪絵の眼差しが、印象的だった。
あなただけが頼りです。
そう言っているのが痛いほどよく分かった。
それを見て、恭三ははっきりと、自分が恋に落ちたのを知った。
小学校三年生の時から数えて、ちょうど五十回目の恋であった。
これまでの四十九回の失恋は、すべて彼女に出会うためのものだったのだ。
五十、という数字に彼は運命的なものを感じた。
今度こそ、うまく行くような予感がした。
しかしその時、はずれ続けた四十九回の予感のことは、きれいさっぱり忘れていた。

(下線は、私です。ちょっと引用しすぎたかなぁ。とってもいいでしょ。ゴメンナサイ)

粋ですねぇ。楽しいですねぇ。でも私にはちょっと胸にきゅんときます。
さて恭三の恋はいかなる結末に。

作品の後に島田荘司さんが、「本格ミステリー宣言」という一文を書いています。
綾辻さん、歌野さん、法月さんに次ぐ才能のある作家と言ってます。
そしてそれに次ぐのが、折原一さん、斉藤肇さん、岩崎正吾さん、山崎純さん、有栖川有栖さんだと。
ここらへんになると、有栖川さんしか知りません。(助けて~)
でもなぁ。ずいぶん前にエントリーした、鮎川哲也さんの綾辻さんのときの激励文の方が全然迫力があります。
(島田さんの作品、どうもいい印象がないせいですね。たぶん)
我孫子武丸さんの作品のユーモアの部分しかまだ知りませんが、お薦めです。


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コメント 7

あかり

こんにちは!我孫子さんは本当に、いろんな面をお持ちの作家さんですよね(というか、そうじゃないとやっていけないかも)!ユーモアがあったり、ホラーだったり。「人形シリーズ」で思ったのですが、我孫子さんの書く女の人って、すごく好感度高いんです、私的に。なんていうか、恋愛小説に出てくるように、「特別」な感じがしない。でもいそうで、いない。そんな感じなんです(笑)
島田さん、私もまだまだ初心者なのですが、異邦の騎士、占星術殺人事件はよかったですよ!
by あかり (2007-05-10 10:27) 

daland

>aliceさん
こんばんは。いつもnice!とコメントありがとうございます。
我孫子さんは人形シリーズは読みました。
軽い感じで楽しく読んでしまった、という感じです。女性の描き方もっとよく読んでおくんだったなぁ。

島田さん、やはりこのままじゃいけないと、まさにaliceさん推薦の、「占星術殺人事件」を図書館から借りてきています。
初期の作品で、御手洗潔シリーズの最初の作品ですよね。
相変わらず読むのが遅いので期限が来ちゃいそうです。
でも島田さんは、この作品から読みたいと思っています。
by daland (2007-05-10 23:20) 

e-g-g

こんばんは
まったく知らない名前ばかりで、コメントもどうかな?とは思いますが、引用されている部分を拝見すると面白そうですね。読んでみようかという気持ちがチラッと動くでしょうか?
by e-g-g (2007-05-10 23:31) 

ushimadness_sugar

ビアガーデンに反応してしまいました。
まだ喉の調子が良くないので、おいしくいただけないと思うのですが、飲みたい気持ちが先走るのです。

我孫子武丸さん、知らなかったです。図書館でチェックしてみようと思いまーす。
by ushimadness_sugar (2007-05-11 19:23) 

daland

>eguchiさん
こんばんは。nice!とコメントありがとうございます。
私が本を読むようになったのは、本当に最近のことです。
娘が本の虫ですので、ちょっと借りてるうちに読むようになりました。
本の感想とか紹介って難しいですね。
音楽と違って、安直ですが面白いところを引用出来るんです。

このエントリーにコメントして下さっている、aliceさんのブログにぜひ遊びに行ってください。
私はミステリをいつも紹介して貰っていますが、ジャンルは広いです。
aliceさんの感性、表現力にいつも感心させられます。
ブログを読んでいると、その本が読みたくなるから不思議です。
お勧めです。作家の索引もあって便利です。
お薦めします。
by daland (2007-05-11 21:50) 

daland

>ushimadness_sugerさん
こんばんは。nice!とコメントありがとうございます。

もしもし、しばらくエントリーがないと思っていたらやっぱ風邪引いていたんですね。
喉の調子が悪いのにビールの話はダメですよ。(まさか飲んでないでしょうね?)

我孫子武丸さん面白いですよ。「人形シリーズ」もユーモアミステリで軽くて楽しめます。主人公は腹話術の人形です。ぜひどうぞ。
by daland (2007-05-11 22:04) 

ushimadness_sugar

>dalandさま
すみません・・・・・。少し飲みました。ホントに少しです。
でもバチがあたって、まずかったので(喉も痛かったし)もう飲みません。

おとなしくご本を読む週末を過ごします。
by ushimadness_sugar (2007-05-12 11:17) 

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